TOPCON ESN-100(面トル)をレポート
画像引用:“だれでも使える”3Dレーザースキャナー『ESN-100』(愛称:“面トル”)と専用フィールドソフトウェア『Topcon Raster Scan』を発売 – TOPCON
“だれでもの使える”レーザースキャナESN-100(面トル)を導入いたしました。
今回は実際にスキャンを行い、使用感や特徴、他の機器との違いをレポートします。
ESN-100(面トル)の最大の特徴をご紹介します。
①自動でターゲット検出、点群合成
ESN-100はターゲットプリズムを用いて点群に座標情報を与えます。前機種の場合だとプリズムを手動で視準し読み取らせる操作が必要になりましたがESN-100の場合その必要はなくボタン1つ押すだけで自動でターゲットプリズムのスキャンを行います。
また、機械点ごとの点群は自動で合成されるため合成のための操作が必要ありません。
②スキャンデータを現場で出力
以前まで計測したデータはメモリーカードを経由し、PCに読み込み、その後専用ソフトで合成処理を行い、las形式などで書き出し、別の点群処理ソフトで編集という流れでした。
ESN-100の場合タブレットから直接lasデータ形式が書き出し可能となりました。これにより、事務所での作業が大幅に短縮され、現場で点群データの共有も可能となりました。
他にも様々な機能がありますが特に”計測の自動化“により”だれでも使える“という部分に重点を置いたスキャナとなります。
↑本体側もボタンが3つとシンプルな構造、タブレット(RasterScan)と接続しながら運用していく。
実際にスキャン!
実際に使用した際の一連の作業をご紹介します。
まずはプリズムを設置してTSでプリズムの座標値を計測します。この際、基準点に設置すれば座標値の計測は必要ありませんが、スキャナから2個以上のプリズムが視準できていないとスキャンと合成ができないため基本的にプリズムは任意点に設置する形となります。
計測した座標値の入力を行います。任意点にプリズムを設置した場合は手動で入力するのが一番早いと思います。基準点座標をcsvやcimaで読み込みも可能です。
バッテリーは2個使用します。電源をつけながらのバッテリー交換も可能
基本的にタブレットから点群データを書き出しますが、本体のSDカードにはプロジェクトデータが保存され、MAGNET Collageで編集も可能
座標付けに適用するプリズムを選択してスキャン開始!あとは待つだけです。
点群密度は5mmと11mmから選択可能です。計測時間は5mmの場合約10分、11mmの場合約5分でした。※スキャン地点から10mの値
整準→画像撮影→スキャン→ターゲットスキャンの順で計測が行われます。
計測終了後、平面からの点群ビューとターゲットとの誤差が表示されます。どの場所が取れているのか大まかに確認できますが平面のみでのビューとなります。
あとは移動しながら同じことを繰り返していきます。
↑本体は4.8kg スキャナの中では比較的軽く、移動も持ち手があるため取り回しが非常に良い!
2回目のスキャン後、点群はプリズムの座標値を元に自動で合成され、機械設置の誤差も表示されます
8回のスキャンを行い、作業は終了。準備や片付けを含めて約2時間程度
ファイル形式を選択するだけですぐに書き出しができました。書き出されたデータはタブレット内の指定したフォルダに保存されます。本来であれば専用ソフトでの合成作業が必要になりますが、書き出しされたデータはそのまま他社ソフトでも使用可能です。
今回はPCとタブレットを繋いでデータを取り出しましたがネット環境があれば現場からデータ転送もできそうです。
点群データを確認
↑計測データを確認しましたが、とても綺麗に取れている印象
↑道路面の点群の厚みを測定 約5mm程度。点群も2重になる部分は無くしっかりと合成されている
まとめ
今回はESN-100(面トル)のご紹介をしましたがいかがでしたでしょうか。
lasやtxtファイルをそのまま書き出せるのは現場で作業が完結するため、事務所での細かな作業が苦手な方にとってはとても嬉しい機能ではないでしょうか。
また、前機種と比較するとターゲットを読み込ませる手間なども大幅に削減され計測時間の短縮にも役立っています。
亀太ではESN-100(面トル)の販売・レンタル・デモンストレーションなど行っていますので導入をご検討の方、一度実機を見てみたい方はお気軽にお問合せください!